起床と就寝の繰り返し

起きている間にやったことの記録

ブレーカーが落ちたデニーズ

昼休みにデニーズに行った。昼デニセットのおろしハンバーグを食べていると、目の前がぼんやりと薄暗くなってやけに静かになった。空調と店内のBGMが止まったのだ。ブレーカーが落ちたらしい。

お客さんが一斉に上を見た。こういう時上を見てしまうのってなんなんだろう。巣から出てきたミーアキャットみたいになってかわいい。

ブレーカーが落ちて復旧にしばらく時間がかかるらしい。その間料理の提供もできないしドリンクバーも使えない。駐車場も使えなくなったらしい。そうと分かると料理を待っていたお客さんは帰り、新しく来たお客さんも断られて帰って行った。みんなドリンクの無料券をもらっていた。

僕は幸いハンバーグがきていたので、その様子を眺めながらゆっくり食べていた。ただセットについていたドリンクバーが使えない。お会計の時まけてくれないかな、ということを心配しながら食べていた。

食べ終わってぼんやりしていたが、暑い。冷房が止まったのだ。店員さんがバタバタと窓を開けてくれたがそれでも暑い。ふと周りを見ると寝ているサラリーマンとおしゃべりに夢中なおばさまがちらほらいるだけだ。みんな長居せず帰ったのだ。妙にシンとした異様な空間だった。おばさま達のしゃべり声も店員さん達の緊急のやりとりも少し遠くから聞こえる感じがする。開店前のデニーズでご飯を食べたらこんな感じなんだろうなと思った。

30分ほどすると急に電気がつきBGMが流れ出した。復旧したのだ。いそいそとドリンクバーへ行きコーヒーのボタンを押したが、機械が動き出すのに少し時間が要るらしい。諦めて帰ってまたぼんやりしていたらおばちゃんの店員さんがコーヒーを入れておいてくれていた。なんだかとても嬉しかった。ドリンクバーで飲み物を作ってもらうだけでこんなに気持ちが豊かになるのだ。

お会計をすると、なんか偉い感じの人に謝られてドリンクチケットをもらった。特殊な空間ですっかり気が抜けていたが、会社まで戻る道で段々生気を取り戻していく感じがした。すごく長い時間を過ごした気がした。精神と時の部屋だ。ブレーカーが落ちたデニーズ。