起床と就寝の繰り返し

起きている間にやったことの記録

レジ

今の家に引っ越して間もない頃、近くのスーパーのレジに並んでいたら前のおばあさんがキッと僕を見ていた。列から少し横に外れてキッと見ていたので、慌てて「どうぞ、列に入ってください」という意味で手をバサバサ動かした。すると、

「あんたが先に行った方がいい」

と言われた。「いや、僕は後から来たので」と言ったがおばあさんは譲らなかった。

「私は家に帰っても暇なんだ。あんたが早く帰れた方がいい」

と言う。僕も別に急いでないのだ。と言うか暇かどうかに関わらず、先に並んだ人が先に会計をするのはこの世の真理である。「いやいや、どうぞどうぞ」としどろもどろで伝えるがおばあさんは動く気配がなかった。

「じゃあ、あの、すみません。お言葉に甘えて…」となるべく背中を丸めて先に会計をさせてもらった。おばあさんは戦況が思い通りに運んだ軍師みたいな目で僕を見ていた。

いい街だなと思った。