起床と就寝の繰り返し

起きている間にやったことの記録

夜のうさぎ島はすごい

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この夏、「うさぎ島」と呼ばれている大久野島へ行った。

大久野島は瀬戸内海に浮かぶ広島県の小さな島で、(確か)1時間程度で歩いて一周できる小さい島なのだが、その中に野生のうさぎが700羽以上いる。

 

小学校で飼っていたうさぎが野生化して、天敵のいない環境でここまで増えたそうである。

戦時中は毒ガスを作る工場があり、地図からも消されていたというかなり特殊な環境にあった島なようだが、現在はその工場も廃墟となっていて、その周りをうさぎが行き交うミスマッチな景色が見られる。

何しろ野生のうさぎがそこら中に自由に走ったり寝転んだりしているらしいのだが、それが見たくて赴いた。

きっかけはこれらの記事である。

ウサギが700羽暮らす島 - デイリーポータルZ@nifty

フォトリポート:本当にうさぎだらけだった!うさぎの楽園、大久野島探訪記 (1/3) - ねとらぼ

そして実際行ってみたら、もちろんうさぎはかわいかったのだが、特に夜がすごかったのでここに記す。

 

大久野島へは、広島県忠海(ただのうみ)という駅からフェリーで10分くらいのところにある。

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こんな感じで忠海はとてものどかなところでした。

ここに来るまでの電車内で、キャベツとニンジンを山ほど持った外国人3人組が陽気に話していて、もちろんこの待合所まで歩いてきた。

「クシカツ」とか「オマカセ」とか言っていたので、グループに1人、すごく日本に詳しい方がいたのだと思う。

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で、フェリーに乗って、島に上陸しました。

「上陸するなりうさぎ達が群がってきたらどうしよう!」という心配をしていたのだが、うさぎは意外とクールで、日陰でベタッと寝そべっていらっしゃった。大きな船が来てたくさんの人間が上陸したのだけど、まるで見えてないみたいだった。

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でもえさをちらつかせるとちゃんと寄ってきてくれて嬉しい。

えさは、事前に知人に頂いた、市販のうさぎのえさである。

しっかり群がってくれるのだが、うさぎって声を出さないので、無音の中でえさを租借する「コリコリコリコリコリコリ」という音が何重にもなって脳にしみ込んでくるようで不気味だったのを覚えている。

何だかもののけ姫の「こだま」を思い出した。

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そして、この大久野島、ホテルに泊まることもできるが、キャンプもできる。

せっかくなので、うさぎと近いところで一夜を明かしてみようということでキャンプの道具を島で借りる。(キャンプ場に行ってみたら、そこは柵で区切られていてうさぎが入って来られない様になっていた。芝の保護だそう。確かに!)

 

最近のテントは「ワンタッチで広がる便利なやつ」というイメージがあったのだが、棒と布と杭とトンカチの、何か本格的(僕にはそう見える)なテントを渡された。

とてもテントには見えない。

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途方に暮れたが、係の人に初心者だという事がばれるのも恥ずかしくて「あとはやっときまーす」と道具を持ってそそくさと移動。

一緒に来ていた妻の「勘」で、なんとテントらしきものが出来上がった。すごい!

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で、ご飯をホテルで食べて、暗くなった頃外に出たらちょっと異様な光景が広がっていた。

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待っている。

奥の方に点々とある塊もうさぎで、皆で何かをじっと待っている。

昼間のほのぼのした雰囲気ではない。

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走って群がってくる。昼間と何か違う!

熱量の様なものが違う。

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あと暗いので単純に怖い。

相変わらず音を出さないので、何だか興奮したたくさんの気配だけが伝わってくる。

もう全然かわいくない。すごい。

えさを租借する「コリコリコリコリ…」という音にも何か超自然的な意味合いが含まれている様に聞こえてくる。

自宅から遠く離れて海まで隔てて、知らない世界に来たのだなあという気持ちになった。

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そのうちに、うごめく絨毯みたいなものができた。

どうしたというのだ。

 

そう言えばうさぎって夜行性だっけ?と思って帰ってネットで検索したが、一概にそういうわけでもないらしい。とにかく明け方と暮れが一番活発な動物なんだそうです。

なるほど。

 

圧倒されてテントに帰ったら、星がすごくきれいなことに気がついた。

たくさんの興奮したうさぎと触れ合った後でぐったりしていたが、やはり星はきれいだった。

寝て起きたら、朝焼けもすごくきれいで最高だった。

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翌朝もうさぎはいて、えさをあげると食べた。

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いつ寝ているんだろう。

草食動物は、食べ物に含まれる栄養がそもそも少ないので一日中食べていなければならず、食べて少し寝て、の繰り返しだと聞いた記憶があるのだが、そういう事なのかな。

 

とにかく、夜の大久野島の雰囲気が異様、という話でした。

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