起床と就寝の繰り返し

起きている間にやったことの記録

革ジャン

「革ジャン」って、かなり一般に広く認知された略語である。

 

「最近の若い奴らは何でもかんでも略しやがって」

というおじさんも、

「革ジャン」だけは許してくれるのではないか。

 

 

これって、「革ジャンパー」の、「ジャンパー」の部分が「ジャンバー」派と対立していたことに起因するのではないか。(ちなみに僕は「ジャンパー」派だ。特に理由はないのだけど。)

 

きっと遥か昔から、「ジャンパー」派と「ジャンバー」派は争い続けてきた。

あまりにも長いので、お互い争っていた理由も忘れてしまうほどである。(「ジャンパー」派なので「ジャンパー」を「ジャンバー」より先に書いている。)

「ジャンパー」派は、「ジャンバー」と書かれたお店のPOPの、「バ」の濁点を「口」となるように書き加えて「ジャンパー」と読めるようにしたし、

「ジャンバー」派は、「ジャンパー」派が「パー」と発音しようとした瞬間にジャンバーの袖を口に突っ込んで無理やり「ヴァー」と発音させようとしてきた。

 

この長く続いた「ジャンパー」「ジャンバー」論争に決着をつけるべく、街のある青年が(のちに革命家と呼ばれる)、思い切って「パー」だか「バー」の部分を捨ててしまったのだ。

 

これによって、もう本音では争いたくない、しかし自分の主張は曲げたくない、と思っていた市民達がこぞって「革ジャン」を使い始め、爆発的に、ただ長い単語を短くまとめる、という以上の役割を持って、日本中に広まっていたのだと思われる。

もう相手がどちらの派閥なのか気にしながら「革ジャン…パ、バー」などとおどおどする必要はない。

山の頂上で、波打ち際で、学校の屋上で、思いっきり叫ぶことができるのだ。

「革ジャン」

と。

 

※「ジャンパー」「ジャンバー」単体の時は、「アウター」と呼べば争いを回避できる。