起床と就寝の繰り返し

起きている間にやったことの記録

ベッドと壁の隙間でゆっくりする

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中学生の頃、ちょっとやんちゃな男子は、休み時間に友達のところに行ってしゃべる際、その友達の机に座っていた。

隣に空いているイスがあっても、頑なにその友達の机に座ってゆっくりしていた。

机には背もたれもない。高すぎる。座面も快適ではないだろう。

それでもそこに座ったやんちゃな男子は、とてもリラックスして、ゆっくりしているように見えた。

 

人は、ちょっと本題からずれた環境でゆっくりしたい生き物なのかもしれない。

思い当たる何か所かでゆっくりしてみることにした。

 

<冷蔵庫の横でゆっくりする>

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普段座り込むことのない冷蔵庫の横でゆっくりした。

やはりというか意外というか、落ち着くのだ。

 

暑い、狭い、ホコリっぽいのだが、その全てがちょうどよい。

ちょうどよい環境の悪さ。

冷蔵庫から出る「ブーーン」という低音も心地よい。

 

そして出処のよくわからないスリル。

スリルなんて居心地の良さとは対極をなすものに思えるかもしれないが、このスリルのせいで「もうちょっといちゃおうかな」という気持ちになってずるずる居座ってしまう。

とにかく幸先がよい。

 

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(ゆっくりするためのセット。ドラえもんとチョコパイと温めた麦茶。)

 

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(冷蔵庫の横でゆっくりしている時の視界。自分の家なのに初めて見る景色。)

 

冷蔵庫の横でゆっくりする

狭さ   ★★★☆☆

暑さ   ★★★☆☆

埃っぽさ ★★★☆☆

寄りかかりすぎると冷蔵庫を押しちゃう ★★★★★

 

<玄関でゆっくりする>

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隣のお宅に野菜をおすそ分けに行って、玄関先で少し世間話をして、「玄関じゃなんですから、上がってもらってお茶でも飲んでください」とか言われて、でも「悪いわよー」とか言ってお別れする、という一連のやりとりがあるらしい。

「玄関じゃなんですから」と言われちゃうその玄関で、本格的にゆっくりしてやった。

地面は思っていたよりひんやりとはしておらず、あとサイズ感が一人暮らしっぽかった。

落ち着く。

酔って帰ってきて、布団まで行く気力がない時だったらここで寝られるなと思った。

 

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(当時の視界。意外と複雑な形の天井であることに気がついた。)

 

玄関でゆっくりする

埃っぽさ     ★★★★★

地面の硬さ    ★★★★☆

やけに高い天井  ★★★☆☆ 

インターホンが鳴ったらお茶などをどう速やかに片付けてドアを開けるのか考えておかなければ ★★★★★

 

<カーテンに巻かれてゆっくりする>

暗い。暑い。

そして自分が意外と大きな体をしていることに気がつく。

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(なんか思ってた形と違う)

 

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(思ってたのと違ったので、その夜座って再度ゆっくりした。お茶とお茶菓子用意。)

 

視界が悪いので漫画は読めないが、抜群にしっくりきた。

カーテンから出てみたらタイムスリップしていたらどうしようとか、世界が終わっていたらどうしようとか、そういった妄想で十分ゆっくりできる。

 

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(当時の視界。視界? よく見るとドラえもんのマンガを撮っていることが分かる。)

 

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(上を向くと結構明るい。)

 

レースのカーテンの硬い感触を楽しんで存分にゆっくりした。

そして、気がつくと目をつぶっていた。

目を開ける際に今まで目をつぶっていたことに気がついてびっくりしたほどだった。

少年漫画で、主人公が真っ暗な洞窟の中に入って「自分とは」みたいな問答をしながら修行をする話を読んだことがあるのだけど、その状況にほんの少し、足先だけ浸かったのかな、と感じた体験だった。

日常に体験するものとは質の違う闇がそこにはあったのかもしれない。

中二病って、こういうことなのでしょうか。「闇」とか書いていてとても気持ちがいいです。)

 

あとこれをやってる時、嫁がすぐ近くで寝ていた。

何の説明もしていなかったので、見つかったら、と思うととてもドキドキした。

暗いところで食べるチョコパイはとても甘かった。

 

カーテンに巻かれてゆっくりする

暑さ    ★★★★☆

スリル   ★★★★★

自分探し  ★★☆☆☆

眠くもなる ★★★★☆

 

 

<ベッドと壁の隙間でゆっくりする>

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「人ひとりがちょうど収まる日常の中のスペース」の「ちょうど」という単語を追求した時、そこに「ベッドと壁の隙間」があるのだと思う。

こんなに地面に対して垂直に、寝ながらなるとは思わなかった。

全体重を一身に受ける左腕。

止まる血。

疲れる首。

暑さとホコリ。

落ち着く…。

 

メンタルは最高に落ち着くのだが、フィジカルが追いつかない。

体が鉄でできていたらずっといたいのになあ、と思った。

 

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(視界には、自身を撮るためのカメラ。無機物に見下されていると感じた。)

 

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(上を向くとこんな感じ。)

 

ベッドと壁の隙間でゆっくりする

落ち着く場所を見つけた ★★★★★

腕が痛い        ★★★★★

足と足の間が蒸れる   ★★★★★

お茶を目の前にして尚、どうしたって飲めない絶望感 ★★★★★

 

 

<クローゼットの中でゆっくりする>

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(入っている)

 

言わずもがな、落ち着く。

押入れの中と思えばいいと思う。

 

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(視界。「視」の「界」と書いて視界。)

 

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(ちょっと開けて飲み物をとった。身の毛のよだつ写真になってしまった。)

 

そしてこの時、ある漫画のシーンを思い出した。

登場人物が押入れに入って襖を少し開け、そこから見える位置に鏡を置くと、鏡に映る自分に対して「あの子は何をしているのだろう」という気持ちになって怖い、と話すシーンである。

 

やってみた。

 

本当に怖い。

最高に気味が悪い。

写真も撮ったけど載せません。

黒魔術の一種だこれは。

 

これをやってる時、嫁がテレビで「笑ってこらえて」を見ていた。

鈴木砂羽さんが朝までハシゴして飲み歩く企画をやっていた。

 

クローゼットの中でゆっくりする

落ち着く          ★★★★★

いけないことをしている感じ ★★★★☆

危ない遊びに発展する可能性 ★★★☆☆

過ごしやすい季節になったら一晩過ごしてみたい ★★★☆☆

 

結果発表

中学でよく人の机に座って楽しそうにしゃべっていた彼を思い出しながらはじめたこの試み、

概ねどこでゆっくりしても居心地は良かった。

「暑い」という課題を解決できれば相当ゆっくりできる。

気分転換などに役立てられるかもしれない。

 

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(落ち着く場所の殿堂、「トイレ」でもゆっくりしてみた。最高に落ち着いた。周知の事実。)